このブログは実際に私の所に来た質問を元に書いています。
本日は神棚の話です。
【お題】

「引っ越したら、元(引っ越す前)の地域の氏神神社は祀れないのですか?」
これを聞いて「?」と思う方もいるかもしれません。
「引っ越す前の氏神神社を祀ればいいじゃないか」「祀れない氏神神社なんてないでしょう」と。
はじめに私もそのように思いました。しかし、話を聞くとそのような疑問を投げかけた方の気持ちよくわかるようになりました。
質問をいただいた方、仮にAさんとします。
Aさんは転職をきっかけに、県を跨いで引っ越しをすることになりました。
…ということは氏神神社も変わることとなります。
氏神神社とは?

地域を管轄する神社のことです。あなたのお住まいの地域によって氏神神社は変わります。氏神神社の調べ方はお住まいの地域の神社庁に問い合わせれば教えてくれます。例えば、北海道の旭川市に住んでいる方がいるとします。この方の氏神神社は山田神社(仮)です。宮城県の仙台市に引っ越しをするとなると、氏神神社は田中神社(仮)になります。基本的にどの家庭でも氏神神社は一社です。その地域に住んでいる限り、変わることはありません。
Aさんは引っ越しに伴い、以前祀っていた氏神神社が祀れなくなることに悩んでいました。引っ越す前の氏神神社が好きなので、引っ越した後も引き続き祀りたいということですね。
どうしてAさんが頭を抱えてしまうのかというと、神棚には氏神神社を祀る場所があり、新しい氏神神社でそこが埋まってしまうと古い氏神神社を祀れないという固定観念があったからです。
神棚の氏神神社を祀る場所は一社造りか三社造りかで変わります。
【一社造りの神棚】

一番手前に神宮大麻、真ん中に氏神神社、一番後ろに崇敬神社を祀るのが基本となります。
【三社造りの神棚】

真ん中が神宮大麻(じんぐうたいま)、向かって右に氏神神社、左に崇敬神社の神札を祀るのが基本となります。
Aさんは引っ越す前の氏神神社を祀りたいが、氏神神社のスペースには新しい氏神神社があるから祀れない、どうしたらいいのか、わからなかったようです。
引っ越す前の氏神神社は、氏神神社のスペースではなく、崇敬神社のスペースに祀り、新しい土地の氏神神社は氏神神社のスペースに祀るのが正しい祀り方となります。
基本的に神宮大麻は固定、氏神神社は地域によって変わり、崇敬神社は自分の信仰によって変わります。こちらの基本を抑えておくと良いです。
動画もご覧ください。